6月   2011  

【X・Y・Zは、これで終わり、のカクテル】

「ホワイトラム、ホワイトキュラソー、レモンジュース」

レシピをつぶやきながら「これで終わりだ」とロシアンルーレットの引き金を引く松田優作が主演

映画「野獣死すべし」

アルファベットの最後の三文字だから、これで終わりというカクテル

今年、喜寿を迎える銀座の婦人

「私の枕元にはX・Y・Zね、よろしく」

明るく話すその言葉に頭を下げるバーテンダー

決してハードボイルドなんかではなく、酒は人生そのもの

人生最期の酒を決められるなんて、なんて幸せでしょうか

しかと約束しました「X・Y・Z」

最高に旨い「X・Y・Z」

最期の酒の約束に深い感謝をもちながら

自身の最期はさておき

今はみなさまの酒が大切です

今は決められません

自身の酒は、いつか、ひとりで考えます

路地裏に 酒と泪と 最期の酒
酒番 栗岩稔

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【10年前と10年後、今の酒】

10年前の鎌倉

銀座で仕事を終えた50代後半の著名な装丁家

ラガブーリン16年を1対1の水割りで立ち飲みカウンターで静かに飲(や)る

葉巻はコイーバ

言葉を必要としないその時間

だまって一杯、調子が良いともう一杯

週末はドライ・マティーニとコイ―バ

いつものように言葉を必要としない、ドライ・マティーニだけの緊張感のある駆け引き

10年後の銀座

その装丁家は突然現れる

1対1.5のラガブーリン16年を2杯

「ようやく見つけましたよ、噂ばかりでさ…、鎌倉にひっそり店を出したとか、銀座で、とか…」

その夜初めて、自らを名乗る記憶という名の大切な名刺を交換

翌日、弟子とともに現われた彼はラガブーリン16年の1対1.5の水割りを2杯

弟子もそれに続く

「今日はさ、俺の一番弟子の祝いなんですよ、洗礼を与える一杯を作ってやってよ」

ジョニーウオーカーベースの「ロブ・ロイ」を差し出すバーテンダー

彼は、初めてみる笑顔とともにドライ・マティーニの注文

そして、ひと口 

「おっ、お前さん、良い年取ったね!何があったか知らないけれど、10年近くになるかな」

「昔は眼光するどくてさ、眼で会話してたよな、眼力っていうのかな」

「旨いね…、もう一杯もらおうか」

2杯目を10年前のドライ・マティーニで差し出すバーテンダー

「おっ、来たね、これこれ、あの切れ味だよ、だけど、これはあそこで飲む味だな」

「よし、あと10年は銀座で遊ぶか、お前さんがここにいるからさ…、1対1.5でな」

「だけど、ホントに良い年とったな、わかるよ、このドライ・マティーニでさ」

深々と頭を下げるバーテンダーの手には次の世代の記憶という名の名刺

1対2の水割りとドライ・マティーニで10年後を想う夜

酒番冥利に尽きる夜

酒番 栗岩稔

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2011.06.08 水.
pm 17:47
BAR SO-WHAT,栗岩稔のこと,酒場にて

【Candyのマスター】

George Duke/After Hours
それは、夕暮れの酒場でよく流れるアルバム
オンからオフに切り替わる街の瞬間
夕暮れの街灯りが見えるソファで食前酒を飲む男と女
ディナーのあとのバーカウンターで葉巻を楽しむ男とその隣で静かに微笑む女性
そんな街のひとときを髣髴とさせる名盤

出会ったのは20年前のある日
会社の先輩に連れられて訪れたとあるバー
新宿甲州街道に程近いビル
すれ違うことが出来ないくらいに狭い階段を下った先に広がる大人の空間

目指す先は18席もある一直線の長いバーカウンター
「僕らのような若造はこっちの端だよ」と先輩がひと言
そこはマスターから一番遠い席
目の前には酒瓶とマスターのアシストをそつなくこなすスタッフ

大好きなビールをいただく
「うまい!」
すべてに手を抜いていない味の余韻を楽しみながら、遠くにマスターを眺める
時がたつに連れ、ひとり、またひとりと常連らしき男たちが現れ、決まった席に落ち着く
何も注文せずとも出てくる彼らの酒
彼らはさりげない会話を始め、どこかで見つけたおもしろいモノ自慢
まるで子供のように無邪気に、楽しげに、酒と音楽と会話を楽しむ

モラルの無い大人は大嫌い、軟弱な酒を飲む男は苦手
うるさく、しつこく、酔っ払うお客は帰すそのマスター
趣味はスキー、野球、写真、かつてはサックスプレーヤー、そして大の巨人ファン
勝敗に影響されるのはスポーツ紙を読む時間の長さとそのご機嫌
草野球チームのユニフォームは巨人のそれと瓜二つ
アルバイト面接に必ず聞く言葉「野球出来る?どこのファン?」

ほどよい緊張感で満ち溢れた店内はマスターのまったく無駄のない動きから生み出されるその酒と
壁一面のLP、CDから一曲ずつ選ばれ途切れることなく流されるジャズ、フュージョン、ソウル、R &B

感動した
ほぼ毎晩通い詰めた
東京の象徴だった
安心した
そして、身が引きしまった

開店間もない店内でその日の夕刊、スポーツ紙を鼻眼鏡で読む姿
新しく購入した音源の確認、その間合いを取るようにタバコを一服
ゆるやかに立ち上るロングピースの香り
BGMはGeorge Duke/After Hours

その姿にあこがれ、その時間帯に通った

またひとり目標とする男が現れた
それがまたしてもマスターという仕事
そのマスターから学んだこと
バーカウンターでの男の振る舞い、酒、タバコの吸い方、音楽、そして、女
勿論バーテンダーの仕事

何年も通い詰めた年、30歳を目前にした初夏の夕暮れ
その日、はじめてマスターの目の前の席に案内していただいた

特等席だった
緊張した
背筋がさらに伸びた
何かをひとつ越えられた
その日初めて、ボトルキープした

30歳の秋
そのバーカウンターの中で働くことになった

月日が流れた秋の日 ペナントレース終了後に巨人軍長島監督が第一線を退いた
そしてマスターも退いた

あれから20年
路地裏の酒場の外灯がともる頃 George Duke のピアノが響く

酒場で男を学んだ酒番 栗岩稔

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【満月を愛でるお話し会】

「月」 それは地球、身のまわりの自然、人体、人間の生活に大きな影響力をもっています。

フランスシャンパーニュ地方の発泡性ワインは、満月の夜に瓶詰め
ワインは満月の夜に抜栓すると最大限の旨さを発揮
満月の夜に仕込んだ禁酒法時代の酒「MOON SHINE」
儚き美しい月を例えたカクテル「BLUE MOON」
ヘンリー・マンシーニの名曲「MOON RIVER」
ジャズのスタンダード曲「BLUE MOON」
などなど酒にもまつわる事柄が多い月

barsowhatでは、月のメッセージを伝える 竹ノ下三恵さんをお迎えして
6月の満月の夜に「満月を愛でるお話し会」を開催いたします。
あなたの大切な質問に、竹ノ下三恵さんが月からメッセージを受け取り直接お伝えします。
大切な言葉を受け取りながら、満月の夜を楽しみませんか。

そいえば、満月の夜はすべて満ちたりていくら飲んでも酔わないとか。
ちなみに、新月、すべてがゼロになるので吸収が良いとか。
どちらが良いかしら…。

月夜にあなたに似合いの酒、創ります。
酒番 栗岩稔

追伸、雨でも開催します、もちろん。

「満月を愛でるお話し会」
開催日時:平成23年6月16日木曜日午後7時より午後9時まで
開催場所:銀座一丁目旧木挽町路地裏 bar sowhat にて
申込先:080-2240-3013 sowhat@kuriiwaminoru.com 栗岩稔まで
参加会費:5000円(唯一無比の旨い酒と月からの大切なメッセージ付)
参加人数:10名まで

竹ノ下三恵さんプロフィール http://padmehealing.com/profile.html

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【酒場で男学/第二回 装いのこと】

30代 とんでもない男たちに出会いました
彼らは皆、自身の装いをもっていました

その時間に応じた装い
その場所に応じた装い
その場面に応じた装い

装いだけでなく、振る舞いまで
礼儀と節度をもっていました

ファッションやトレンドという言葉でくくれない装い
それが、「男の服」だと…

男たちよ、気を抜くな!

自身の一張羅で酒場へ来たれ!

四十にして悟った酒番 栗岩稔
平成二十三年六月吉日 

「酒場で男学/第二回 装いのこと」
開催日時:平成23年6月18日土曜日午後3時より午後5時まで
開催場所:銀座一丁目旧木挽町路地裏 bar sowhat にて
申込先:080-2240-3013 sowhat@kuriiwaminoru.com 栗岩稔まで
参加会費:5000円(旨い酒と酒の肴付)
参加資格:20歳から35歳男性限定、10名まで
※これは、セミナーではありません。酒場で人間力について語り合う対談会です。
なお、第三回は7月16日土曜日午後3時より、お題はずばり「女」を予定しております。

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2011.06.01 水.
pm 15:20
BAR SO-WHAT,独り言,酒場にて

【「いじわるオオカミ」という香り】

あれは10年前

「いじわる」な男だった時

突然、彼女は結婚しました

それを酒場で聞きました

好みの香りをやめました

一番好きな香り「いじわるオオカミ」を…

あれから10年後

女性たちに囲まれている時

突然、その香りだけ現れました

それを10年ぶりにまといました

やはり好みの香りでした

酒番 栗岩稔
路地裏で 香りの記憶 ききながら 遠くをながめ われ四十と気づく(字余り…) 

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2011.06.01 水.
pm 12:38
BAR SO-WHAT,独り言,酒場にて

【月を追いかけて】

幼少の頃 満月を追いかけた
幼少の頃 満月に話しかけた

子供から大人 月を忘れた

でも、キラキラ光るステージで「月」を唄った

「遠く遠く海へと下る 忍ぶ川のほとりを歩き 果ての街にたどり着く頃
空の色が悲しく見える 振り返る故郷(ばしょ)は遥か遠くなる…」

こんな唄いだしだった

四十の頃 改めて月に気づいた
四十の頃 月を愛でる夜が増えた

そして今 月の力を考える

もちろん、太陽も大好きです

満月の狼男は何処に
酒番 栗岩稔

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